質問:
何度も聴き直さなければ英語が
理解できない。解決法はある?
リスニングがまだ一回では聴き取れず、
同じところを何度も聴き直さなければ
わからないことがあるんですけど、
一回で聴けるようになるには
どうすればいいでしょうか?
回答:リスニングができない原因と
その解決法
「リスニングが苦手・聴き取れない」というのは
特に日本人には非常によくある大きな悩みかと
思います。
実は、個人的にもリスニングは大の苦手で、
リスニングの時は全神経を集中したり、
わかるまで何度も音源を聴き直したりしていたの
ですが、結局は聴けるようにはなりませんでした。
そこで思いました。
試行錯誤を重ね原因と解決法がわかりました。
それからというもの何度も聴き直す・全神経を
集中させるということをしなくても
自然に英語が耳に入ってきて内容も浮かぶように
なりました。
そしてある日、高校時代に毎日のように聴いていた洋楽を改めて聴くと、当時はほとんど
わからなかった英語が
ウソのようにハッキリと発音されているように感じ驚きました。
では、自分も含め日本人の多くがリスニングが
苦手・聴き取れない原因・解決法には
どのようなものがあるのでしょうか。
原因 – 1:日本語の発音の法則にはない音が
聴き取れない
これが日本人がリスニングできずに悩む
大きな原因の一つです。
日本語は「む・か・し・む・か・し・お・じ・い・さ・ん・と」のように
「1文字に1つの音」が基本ですが、
英語はそうではありません。
例えば
not at all → ナ〜レロゥ〜
というフレーズは、
日本語の発音のルール:できるだけ1文字で1音
のように発音すると
「ノット・アット・オール」になります。
しかし、英語ではもちろんこのように発音される
ことはなく「ナ〜レロゥ〜」のような発音になります。
ここで大きなポイントなのは、
既にこの発音をどこかで聴いたことれば「not at all ⇄ ナ〜レロゥ〜」
と認識できますが
もしこの発音を全く聴いたこともない人が「ナ〜レロゥ〜」といきなり聴いても
「→ not at all」
と認識できないかもしれない
ということなのです。
この例だけでなく、基本的に全ての外国語は
脳が認識していない音
は聴き取れません。
だから、「脳が認識していない音」を何度聴いても
聴けるようにはなりません。
また、「聴いたことがなければ理解できない」
というリスニング力では英会話にも試験にも対応
できません。
実際に使える英語には
初めて聴いた発音でも
瞬時に理解できる
というリスニング力が必要になります。それには
「英語と日本語の発音の法則」は違う
英語を理解するには
「英語の発音の法則」が必要
ということを大前提に
脳が認識できる音
を増やしていけばリスニング練習をしなくても
自然にリスニングができるようになっていきます
解決法 – 1:「英語の発音の法則」
を理解する
では、「脳が認識できる音」は具体的にどのように増やしていけばいいのでしょうか。それには
日本語の発音とは異なる、
英語・米語特有の発音の法則
を一つ一つ理解し段階的に発音力を上げて
いきます。
発音力向上のステップ
単語の発音がわかるだけではリスニングの向上
にはつながりません。
英語には単語と単語が繋がって発音される
「リエゾン・リンキング」というものがあるので、日本語のように1文字1文字の音がわかれば
単語もフレーズも複数文も発音できるような構造ではありません。
ですから英語のリスニングができるようになるには、
「音素(英語の一音)のズレ」→
「単語:フレーズの発音の法則」→
「複数文・長文の発音の法則」
の順で一つ一つ組織的にしっかりと理解していく
必要があります。
一方、この一連の法則がしっかり理解できれば、
法則は「全ての英語」に当てはまるので、
聴いたことがない発音は理解できない
➡︎
初めて聴いた発音でも瞬時に理解できる
というリスニング力を身につけることが可能になります。
原因 – 2:英語自体は聴き取れるものの
「内容の理解」が追いつかない
これはもうリスニングの問題ではありません。
の問題です。例えば、
音は聴き取れているのに内容が浮かばない
何度も聴き直すことにより
やっと意味がわかる
というのは、
少しずつ情報処理を積み重ねて最終的に
全部の意味がわかる
という状態ですが、何度も聴かなければわからない状態では実際の会話・試験では使えません。
しかし多くの場合、この状態を
リスニング力が低いからだ!
と判断し、1回でわかるようリスニングを猛特訓
してリスニング力を上げようとしますが、
それによりリスニング力は少しは変わっても
根本的な問題は解決されません。やはり
リスニング力が低いから
ではなく
情報処理速度が遅いから
です
では、どうすればいいのかというと、単純に
1回で全ての情報処理ができればいい
それだけです。
解決法 – 2:
訳さず英語の語順で瞬時に内容を理解する
これが解決法になりますが、
では、どうすれば情報処理が速くなるのでしょうか。
それには大きく2つ、
訳さない
英語を出てきた順から理解する
ということが不可欠です。
私たちは日本の英語の授業で「訳す」
ということを前提に英語を理解してきました。
↓
しかし、ご存知のように英語と日本語の語順は
「真逆」と言っていいほど語順が違います。
↓
すると、必然的に英語を返り読みしなければならなくなります。
一方、リスニングは当然「英語の語順」で
音がどんどん出てくるので、
一瞬でも「訳・語順を考える」ようなことを
している隙に英語はどんどん次に進み、情報処理が追いつかなくなります。
ですから、まずは英語に触れる時はどんな時でも
訳さず、出てきた順に英語を理解する
ということを習慣化し「速さ」だけでなく
「情報処理の仕方」を根本から変え
「瞬時・無意識レベル」にしていきます。
そうすれば、全神経を集中させて聴こうとしなくても
いつのまにか耳に入ってきた英語が
自然に理解できている状態
になります。
ちなみに、FSDではこの場合、
訳さず、出てきた順に英語を理解する
リーディング
をすることにより情報処理能力を根本から
変えていきます。
リスニングなのにリーディング?
と思われるかもしれませんが、
「聴き取れるのに理解が追いつかない」
という場合、「リスニング」を特訓しても
意味がなく
「情報処理能力」を改善するのが得策なので、
むしろ「リーディング」の方法を
根本から変えた方が
リスニング力が変わります。
以上、これら2つが日本人にとっての「リスニングができない原因」
のほとんどです。
一般的には「リスニングができなければたくさん
リスニングをする」というアプローチが主流です。
しかし、「リスニングができないのにリスニングをする」というのは負担が非常に大きいだけで
なく、
効果的とは言えません。
リスニングができないのは
リスニング以外のところに原因があるのがほとんど
まずは、ご自身がこの2つのどちらの原因になっているのかを理解することがリスニング改善への
第一歩。
是非、原因を解決しリスニング力を一気に上げた後、改めて「以前どうしても聴き取ることが
できなかった音源」を聴いてみてください。
きっと、
ハッキリと英語の発音を聴き取ることができ
内容もいつのまにか浮かんでいる
のに驚くと思います。
まとめ
● 「日本語の発音の法則にはない音が
聴き取れないとき」は「英語の発音の法則」をしっかり理解する
● 「内容の理解」が追いつかないとき」は「訳さず英語の語順で理解」し情報処理速度を上げる
● 「リスニングができない原因とその
解決法」はリスニング以外のところにあることがほとんど